2年ほど前のある日,りん姉といつもの遊び場に行ったときに,ふと 「何もせんとこ」 と思い立ち,犬を放してボーッとしてたことがあります.
その頃はと言えば,気軽にできるし犬も喜んでると思っていたので,遊びに行くと決まってボールやフリスビーなどのレトリーブ遊びをしていた時期です.
何でそんなことを思い立ったのかというと,どこかで 「動物はとてもシャイでデリケート.彼らと会話するコツは,相手から話し掛けてくれるのを辛抱強く待つこと」 みたいなことを聞いたことがあって,それが頭の隅っこにでも残っていたのかもしれません.
結果は驚きでした.たった数分の間でしたが,りんはいつもとまったく違うことを語りかけてきてくれたのです...な〜んてのはウソで,彼女は匂いとりと草食いに忙しくて会話どころではありませんでした.
ま,勝手にそんなことを思い立って何かを期待するのは虫が良すぎるってもんですね.きっと日常生活の中でそんな時間と気持ちを持てるかどうかが問題なのでしょう.
そのときの意外な発見はむしろ自分の感覚でした.
広い場所に犬といて何もしないでいると,妙に手持ち無沙汰で居心地が悪い.
今は慣れましたが,その頃は物を投げないというただそれだけのことに,随分と精神力がいったものです.一度 「犬と一緒に○○をする」 ことを覚えてしまうと,今度は 「何もせずただ一緒にいる」 ことが難しくなる,ということかもしれません.
他と較べても,犬はとても人間に影響されやすい動物です.うちの犬たちを見てても,ときどき,気の毒になるくらい.(笑)
最近,道を踏み外して色んな家畜たちと一緒に暮らすようになってしまいましたが,家畜というだけあって,彼らも人間になついてくれます.でもやっぱり彼らは彼ら自身の世界で生きてるって感じです.
それに比べれば,犬はどうしようもなくこちら側の住人なんですね.それだけに,彼らのホンネが聞きたければ意識してそんな時間を作らないといけないようにも思えます.たとえ彼らの言い分はわからなくても,その気持ちを持つということ自体に何か意味があるような気がします.
(犬の言い分を聞こうなんて,もしかしたら不遜で不健康なことかもしれませんから,とても人様に勧められることではありませんが...)
February 25, 2006
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