July 25, 2008

本当は怖いヒトの本能 (1)

(今回はとても書きにくかったから,きっと読みにくいに違いない.じゃあ書くなよって!?)

人間には,個人としてより良く快適に生きようとする欲動と,子孫を残し命の連鎖を繋ごうとする2つの基本的な欲動がある...というようなことを精神科医の斉藤学という人が書いていて,言われてみれば当たり前のことのようだけれど,こーいう大事っぽいことほど学校で教えてくれなかったと拗ねつつ,思いついたヨタを2,3.

斉藤氏に倣って前者を個体保存欲動,後者を性欲動("性欲"じゃないかんね)と呼ぶ.
個体保存欲動は,腹一杯食べたいとか,安全に暮らしたいとか,長生きしたいとか,目立ちたいとか,そういう誰にも覚えのある本能である.個性なんてのもここから派生してくるらしい.
性欲動は個体よりはヒトという種,あるいは生命の一員としてDNAを途切れず後世に引き継ごうとする本能である.個体の安全や快適なんか二の次だし,個性どころか,ヒトのDNAが蛆虫のそれより価値があるわけではない.

2つの欲動は基本的に対立している.
個体保存欲動のもっとも根源的な欲望は,安全と快適が保障された子宮への回帰なのに対し,性欲動は「「汝は性的に成熟し,性交し,子孫を残せ」と命じる非情な推力」だからだ.
個体保存欲動にとって老いと死滅はもっとも忌避すべきことだが,性欲動にとってはまぁどーでもいいことだ.いやむしろ,DNA継承の役目を終えた個体にはサッサとお引取りいただいた方が好都合かもしれない.

どちらがより根深いかというと,そりゃあ人は人である前に生きものなんだから,性欲動だろう.だから普通は性欲動の方がより無意識的に作用し,両者が対立する局面では,個体保存欲動を抑圧することになる.否応無く誕生し,成熟し,やがて世代交代して死を迎えるという流れには,どんな欲動も逆らうことはできない.
 

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