June 7, 2011

アジールとしてのファーム(5) -開放農場へ-

正直、生活の糧を得るわけでもなく、家畜や何頭もの犬を養うなんてことは、道楽以外の何物でもない。
牧場といったって、生産のためには広さも動物の数も不十分だし、観光のための設備も無い。
そんな中途半端な牧場に、物好き以外にどんな意味があるんだろうか?

少なくとも自分の場合、週末をファームで過ごすことで、街やオフィスにある壁を、半歩下がって眺めることができた。
つまり、街からさほど離れていないちっぽけなファームを、個人的なアジール(=逃れの地、避難場所)として使っていたわけである。
おかげで、この8年間を楽しく過ごすことができた。今、そういう体験をもっと多くの方と共有できないかと考えている。

ただ、そういう体験って、どう言えばいいんでしょうね?

「自然を満喫」とか「動物との触れあい」なんて言うと、通りは良いのだけれど、ファームは決して「手付かずの自然」なんかじゃない(だからこそ、ホッとできると思ってるけど)。動物たちにはあまり触れあわずに、できるだけ放ったらかしにしておきたいと思っている。

でないと、彼らの生活リズムを乱してしまうからね。
それでも、お茶でもしながらそんな空間に浸っているだけで、結構贅沢な気持ちになれるのである。
そんな体験。。。

まぁこういうことをあまりムキになって考えてもロクなことはない。
周りの方のお知恵も拝借しながらゆるゆる考えていけば、そのうちまとまるだろうとタカを括っている。
世の中なめてますよね。


おわり
 

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